うれしいことに、妊娠のご報告を今月は何件かいただきました。ご報告をいただけると、本当にうれしい‼
そして、主宰の妊活講座を通して食生活に興味を持ってくださった方は、妊娠後の食事についての疑問や悩みもご相談くださいます。
妊娠中は、非妊娠時よりも食事で気を付けたい点が多々でてきます。
それは母体にとっても胎児のとっても大切なこと。
なので、とくに妊娠前から知っておいてほしいことをこれからちょこちょこと書いていこうかと思います。
「まだ妊娠していないから」という方も、知っておいて損はなし、むしろ最初から安心して妊娠生活を送れるよう、知っておいてほしいです。ぜひ頭の片隅に記憶しておいてくださいね。
今日お伝えするのは、妊娠をしたら生ハムやスモークサーモンに注意が必要!ということです。
リステリア菌は妊婦が感染するとどうなるの?
生ハムやスモークサーモンにはリステリア菌という食中毒菌がついている場合があります。
この菌は健康な人では感染をしても軽症で、自然に治るとされていますが、もし妊婦さんが感染してしまうとやっかい…。
母体が重篤な症状になることはまれなのですが、胎盤や胎児へ感染し、流産や生まれた赤ちゃんに影響がでることがあるのです。
日本では、リステリア症発生の際の報告義務が病院等に課せられていないため、正確なデータが得られているわけではないのですが、推定患者数は年間200人(平成23年)とされています。
生ハム・スモークサーモンに注意!
リステリア菌は生ハムなどの食肉加工品、スモークサーモンなどの魚介類加工品についていることがあります。
よって、妊娠をしたら生ハムやスモークサーモンは控えましょう。
これらはイタリアンでよく使われる食材ですよね。
たとえば、生ハムやスモークサーモンはサラダやパスタ、ピザなどに使われます。
ただ、リステリア菌は加熱をすると死滅をします。目安は65℃で数分です。
でも、加熱温度は100℃以上でも食品の中心にまで熱が伝わるには時間がかかります。表面温度がたとえ100℃でも、必ずしも食品の中心までしっかり火が通っているとは限りません。
なので生ハムやスモークサーモンはパスタやピザにも使われますが、調理後にトッピングとして乗せただけだと、余熱での加熱では不十分なことが十分に考えられます。
念のため、妊娠期間中はこれらの食材が入っているメニューは選ばないほうが安心でしょう。
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冷蔵庫を過信しない
リステリア菌はこれらの食材だけでなく、広く自然界に存在しているため、いろいろな食品についている恐れがあります。そして、冷蔵庫に入れていても増殖するので…
・食品は冷蔵庫に入れていても期限内で食べきる。開封後はすみやかに食べきる。
・食品を冷蔵保存するときは、可能であれば冷凍庫やチルド室を活用する(低温であるほど増殖しにくいので)。
・加熱をして食べる。
・生野菜や果物は食べる前によく洗う。
妊娠をしたら、「冷蔵庫に入っているから大丈夫」「ちょっと消費期限切れてるけど、もったいないから食べちゃおう」というような過信はしないでくださいね。
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参考)リステリアによる食中毒(厚生労働省)
加熱してもなぜ食中毒が起こるのでしょうか?
リステリア菌 (食品安全委員会)