主宰する妊活講座でよく「コーヒーは飲まないほうがいいんですよね?」と質問を受けます。
このように、妊活中に迷うことのひとつとして、カフェインは良いのか悪いのかということがあるでしょう。
(お酒の摂取については、妊活中はアルコールは飲まないほうがいい?を参照ください)
実際、妊活中にコーヒーは飲まないようにされている方は非常に多いです。
では、カフェインは妊活にどのような影響を与えるのでしょうか? コーヒーや紅茶はどのくらいなら飲んでもいいのでしょうか? カフェインと妊活についてみてみましょう。
妊活中のカフェインの影響
カフェインの効能としては、眠気覚ましといった興奮作用が知られていますが、そのほかにも集中力のアップ、自律神経の働きを高めるといった効果があるといわれています。
ただし、過度のカフェイン摂取は不眠やめまいのほか、妊活に悪影響をもたらすことが指摘されています。
例えば、
・卵管の動きがにぶくなる
・子宮内膜の着床環境が悪くなる
といったことが挙げられます。
妊活中のカフェイン摂取量の目安
ではどのくらいの量なら安心なのかという基準は、日本ではその基準は出されていませではカフェインはどのくらいの量なら安心なのかという基準ですが、日本ではその基準は出されていません。
ただ、アメリカ生殖医学会(ASRM)は「妊活中のカフェイン摂取は、1日100-200mgまで」としていますので、これを目安にされるとよいでしょう。
カフェイン100-200㎎とは、コーヒーでいえば1-2杯に相当します。また紅茶でいえば2-4杯に相当します。
つまり、妊活中にコーヒーや紅茶がやめられない場合でも、絶対に飲まないほうがよいというのではなく、コーヒーなら1-2杯、紅茶なら2-4杯であれば許容範囲ということになります。
またアメリカ生殖医学会は、カフェイン量が1日500㎎を超えると、不妊の確率が1.45倍になると発表しています。
カフェインが含まれる食品
カフェインは以下のような飲み物や食べ物にも含まれます。
コーヒーだけを注意されている方がいますが、他の食品も合わせて200㎎を超えないようにしましょう。
※飲み物は1杯の値
※玉露は1杯50ml、ココアは1杯4g使用、その他は1杯180mlで算出。チョコレートは100g当り
コーヒー | 110mg |
高カカオチョコレート(100g) | 90mg |
インスタントコーヒー | 80mg |
玉露 | 80mg |
抹茶 | 60mg |
紅茶 | 50mg |
煎茶 | 40mg |
ほうじ茶 | 40mg |
ウーロン茶 | 40mg |
ミルクチョコレート(100g) | 30mg |
番茶 | 20mg |
玄米茶 | 20mg |
ココア | 10mg |
また、コーラや栄養ドリンク(エナジードリンク)、そして青汁にもカフェインが含まれるものがありますので、飲む際は表示を確認してみてください。
近年では、エナジードリンクによるカフェイン中毒で救急搬送される若者が急増しているという現状もあります。
そしてチョコレートに関しては、カカオ分が多い高カカオチョコレートほどカフェイン量は多くなります。
コーヒー牛乳のカフェイン量は?
妊活中や妊娠中の方から「コーヒー牛乳にもカフェインは含まれますか?」とご質問を受けることがあります。
市販品で見てみると、「雪印コーヒー」は、コップ1杯(200ml)当たり、カフェインは10mg含まれています。
※画像は雪印メグミルクHPより
チチヤス「ちょっとすっきり ミルクコーヒー」には紙パック1本(200ml)に28㎎含まれます。
※画像は伊藤園HPより
牛乳が入っている分、カフェイン量はかなり控えめになっています。
デカフェ・ノンカフェイン・カフェインレスの違い
妊活中はコーヒーの代わりとして、カフェインレスコーヒー(デカフェ)を飲まれている方も多いでしょう。
さて、デカフェ・ノンカフェイン・カフェインレスという言葉がありますが、この違いをご存知ですか?
カフェインレスとは
カフェインレスとは、カフェインの含有量が少ないものをいいます。
日本では、カフェインを90%以上取り除いたものを「カフェインレスコーヒー」や「カフェインフリーコーヒー」などと表示できる基準になっており、全くカフェインが含まれていないわけではありません。
なぜなら、もともとカフェインが含まれているコーヒー豆からできる限りカフェインを取り除いたものなので、微量に含まれるのです。
ただ、限りなく100%に近くカフェインを取り除いたコーヒーも販売されています。
デカフェとは
デカフェの「デ」は、“抜く”といった意味があります。
つまり、カフェインレスコーヒーと同様です。
カフェインが含まれているコーヒー豆からできる限りカフェインを取り除いているため、わずかにカフェインは残っています。
ノンカフェインとは
原料に全くカフェインが含まれていない飲み物のことをいいます。例えば、麦茶やハーブティが当てはまります。
つまり、コーヒー豆にはカフェインが含まれるため、コーヒーに「ノンカフェイン」のものはないということになります。
妊活中、男性もカフェインを控えたほうがいい?
これまで男性(妊活中の女性のパートナー)のカフェイン摂取量と精液の状態、妊娠率などの関係について多くの研究が行われています。
でも研究結果としては、関連があるとするものもあれば関連がないというものもあり、確定的なことはいえません。
ただ、男性がカフェインを多量にとっているご夫婦では、着床率が有意に低くなる、コーヒーを3杯以上(カフェイン300㎎以上)を飲んでいると精子の状態が悪くなる(精子のDNAの損傷リスクが高くなる)といった報告もありますので、妊活中の男性もカフェインはとり過ぎないようにした方が無難かもしれません。
妊娠中のカフェインの量は?
妊娠中の過度なカフェイン摂取は、流産や早産のリスクを高める可能性があるとされています。
<1日あたりのカフェイン量・コーヒー量の目安>
・世界保健機関(WHO)…妊婦はコーヒーを3-4杯まで
・英国食品基準庁(FSA)…妊婦はカフェイン摂取量を200mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)
・カナダ保健省(HC)…妊婦や授乳中、妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)まで
・アメリカ生殖医学会(ASRM)…1日100-200mgまで
つまり、妊娠中も飲んではいけないことはなく、控えた量であればカフェインを含む飲み物を飲んでもよいということになります。
妊活中・妊娠中の私のカフェインのとり方
私の妊活中、妊娠中のときは、会社ではインスタントのデカフェを飲み、カフェでデカフェを頼むと時間がかかるので、お店では普通のコーヒーを飲んでいました。そして緑茶も好きなので、バランスを考えながら緑茶とコーヒーを両方飲んでいました。
現在はカフェインレスの製品がたくさんありますので、上手に取り入れ、ストレスがないようにしたいものですね。
参考)日本食品標準成分表2015年版(七訂)(文部科学省)
雪印コーヒー
チチヤス ちょっとすっきり ミルクコーヒー
ホリーズカフェ
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A(厚生労働省)
妊活中のお酒についてはこちらをご参考ください。
妊活中はお酒を控えている方が多いと思います。 でもそういう方たちから話を聞くと「ただなんとなく」「飲酒はいけないイメージがある」という答えをされる方も。 妊活中にお酒は本当に飲んではいけないのでしょうか? ちなみに私は妊活中、会社[…]