妊娠をのぞむなら、私はまず「体重管理」が大切だと思っています。
なぜなら、体格は妊娠とかかわりが深いから。
あなたの体型は、普通タイプですか? それとも、やせタイプ? 肥満タイプ?
皆が皆そうではありませんが、一般的な傾向として、やせている人と太っている人は妊娠しにくいとされています。
これは、体脂肪が生殖をコントロールしているところがあるからです。
あなたの体型は、何タイプ?
体型のタイプは、体重と身長から計算できるBMIという体格指数で判定できます。
「体重(kg)÷身長(m)の2乗」で計算してみてください。
注)身長はセンチメートル(㎝)ではなく、メートル(m)で計算します。
日本肥満学会の基準はこちらです。
18.5未満 | やせタイプ(低体重) |
18.5以上25未満 | 普通タイプ(普通体重) |
25以上 | 肥満タイプ(肥満) |
なぜ、やせていると妊娠しにくいの?
たとえば、アスリートなどは体脂肪が少なくなりすぎると月経が止まってしまいます。
栄養が不足すると、体は栄養を生殖機能には使わず、自分の体を保つために使うようになるからです。
つまり、体脂肪が少なくなると排卵が乱れ、ひいては月経が抑えられてしまうことにもつながっていきます。
なぜ、太っていると妊娠しにくいの?
逆に栄養過多の場合は、体脂肪は多くついています。
体脂肪が少ないと妊娠しにくいのであれば、「体脂肪が多い肥満の方は妊娠しやすくなんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、それは違います。
体脂肪から分泌されるもので、排卵を促す作用をもつ物質(アディポネクチン)があるのですが、これは体脂肪が増えれば増えるほどその分泌が低下します。
これによって排卵が乱れ、妊娠しにくい状態になるのです。
男性の体重と生殖の関係
男性に関しては、太りすぎると男性ホルモンのテストステロン値が下がり、精子をつくる働きが低下するとされています。
よって男性は、肥満であると生殖能力が落ちることがいわれています。
まとめ
現在、30代女性の肥満の割合は14.2%、やせの割合は13.4%と同じくらいの割合です。
ただ、20代女性に関しては、やせの割合は21.7%と5人に1人となっています。
私が主宰する妊活講座でも、肥満よりやせの方のほうが格段に多く参加されています。
そして、やせの方の多くが「食べたくても量を食べられない」とおっしゃいます。
実際、肥満の方をダイエットさせるのと痩せの方を太らせるのでは、痩せの方を太らせるほうがはるかにハードルが高いです。
そう、やせている方が太るためには、かなりの努力が必要になります。
でも実際に指導をし、やせている方が増量に成功すると「排卵が整ってきました」「一度も着床したことがなかったのに着床しました」「妊娠しました」といった報告をいただくことがあります。
ダイエットや体重増加のコツは、ぜひ授かるごはん講座(基本編)にいらしていただければと思いますが、やせている方はなるべく体重を増やす努力をする、肥満の方はダイエットを意識するといった生活を送りましょう。
今まで盲点だったかもしれませんが、この記事をご覧になられて「私のことだ!」と思った方は、体脂肪と生殖は密接な関係があるということを意識して妊活をしてほしいと思います。
参考)
BMI(e-ヘルスネット)
妊娠しやすい食生活(ジョージ・E・チャヴァロ他/日本経済新聞出版社)
平成29年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)